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【2026年版】法定調書合計表・源泉徴収票・支払調書の出し方|2027年1月提出分から変わる「みなし提出」と提出範囲を税理士が解説

更新日: 2026年10月7日 | カテゴリ: 個人事業主, 法人
法定調書の出し方。提出する書類と範囲を確認

給与や報酬、家賃を支払っている法人や個人事業主は、毎年1月31日までに、源泉徴収票や支払調書などの「法定調書」を税務署に、「給与支払報告書」を従業員が住む市区町村に提出します。

2027年1月に提出する令和8年分から、この手続きが大きく変わります。市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署には給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされ、税務署用の源泉徴収票を作る必要がなくなります(源泉徴収票のみなし提出の特例)。あわせて、e-Taxなどで提出しなければならない枚数の基準も、100枚以上から30枚以上に下がります。

この記事では、2026年10月時点の制度にもとづいて、1月に提出する書類と提出範囲、2027年1月提出分から変わる点、合計表が必要かどうかの判断、e-Taxでの提出義務を整理します。

この記事のポイント

  • 法定調書(源泉徴収票・支払調書)と合計表は税務署へ、給与支払報告書は原則として翌年1月1日現在の従業員の住所地(中途退職者は退職時の住所地)の市区町村へ、いずれも翌年1月31日まで(2027年は1月31日が日曜日のため2月1日)
  • 令和8年分から、市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署への給与所得の源泉徴収票の提出は不要。給与以外の法定調書がなければ合計表も不要になる
  • 給与所得の源泉徴収票の提出範囲は、給与支払報告書と同じ「年の途中で退職し、支払額が30万円以下の人を除くすべて」に広がるが、みなし提出なら追加の作業はない
  • 従業員本人への源泉徴収票の交付は、これまでどおり全員に必要(電子交付も可)
  • 2027年1月以後は、種類ごとに前々年の提出枚数が30枚以上の法定調書は、e-Taxなどでの提出が必要

1. 法定調書とは

1.1 1月に提出する書類

法定調書は、給与や報酬などを支払った人が、誰にいくら支払ったかを税務署に報告する書類です。税務署は、支払を受けた人の申告内容を確認するために使います。1月に提出する主な書類は次のとおりです。

書類提出先期限対象
法定調書(源泉徴収票・支払調書)支払事務を取り扱う事務所の所在地を所轄する税務署翌年1月31日給与・退職金・報酬・家賃などを支払った法人・個人事業主(表2)
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表同上(法定調書とあわせて提出)翌年1月31日法定調書を税務署に提出する人(表4)
給与支払報告書(個人別明細書・総括表)原則、給与を支払った年の翌年1月1日現在の従業員の住所地の市区町村(中途退職者は退職時の住所地)翌年1月31日給与を支払った法人・個人事業主
源泉徴収票(本人交付用)従業員本人翌年1月31日(年の途中の退職者は退職後1か月以内)給与・退職金を支払ったすべての人
期限が土日・祝日の場合は翌日になります。2027年は1月31日が日曜日のため、令和8年分は2027年2月1日(月)が期限です。出典:国税庁No.7400「法定調書の提出義務者」、No.7411
令和8年分以後の主な書類の提出先。給与支払報告書は原則翌年1月1日の住所地、中途退職者は退職時の住所地の市区町村へ。支払調書等と合計表は税務署へ、源泉徴収票は本人へ交付する。

法定調書を税務署に提出するときは、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」をあわせて提出します。合計表は、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金等の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書の6種類に共通の様式です。

1.2 提出期限

法定調書と合計表は、原則として支払が確定した年の翌年1月31日までに、支払事務を取り扱う事務所の所在地を所轄する税務署に提出します。給与支払報告書も翌年1月31日までに提出します。提出先は、原則として給与を支払った年の翌年1月1日現在の従業員の住所地の市区町村です。年の途中で退職した人の分は、退職時の住所地の市区町村に提出します。

期限が土日・祝日の場合は翌日になります。2027年は1月31日が日曜日のため、令和8年分の提出期限は2027年2月1日(月)です。

2. 何を、誰の分まで出すのか

2.1 法定調書の提出範囲

法定調書は、支払った全員の分を出すわけではなく、種類ごとに提出範囲が決まっています。

法定調書提出する人提出範囲(同じ相手への年間の支払額)
給与所得の源泉徴収票給与を支払った人令和8年分から:年の途中で退職し、支払額が30万円以下の人を除くすべて(給与支払報告書を出せば税務署への提出は不要)
退職所得の源泉徴収票退職金を支払った人すべて(2026年1月1日以後に支払が確定した退職金。それ以前は法人の役員のみ)
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書報酬・料金などを支払った人弁護士・税理士などへの報酬、原稿料・講演料・デザイン料など:5万円超/外交員・ホステスなどの報酬:50万円超
不動産の使用料等の支払調書法人と不動産業者である個人15万円超(法人に家賃だけを払っている場合は不要。権利金・更新料などは対象)
不動産等の譲受けの対価の支払調書法人と不動産業者である個人100万円超
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書法人と不動産業者である個人15万円超
金額は原則として消費税等を含めて判定しますが、消費税等の額が明確に区分されていれば含めずに判定できます。源泉徴収の対象外の報酬(法人への報酬など)でも、提出範囲に当たれば支払調書が必要です。出典:国税庁No.7411・7421・7431・7441・7442・7443

金額の判定は、原則として消費税等を含めた金額で行いますが、請求書などで消費税等の額が明確に区分されていれば、消費税等を含めない金額で判定できます。

2.2 見落としやすい点

  • 源泉徴収をしていない報酬でも、提出範囲に当たれば支払調書が必要です。たとえば、法人に支払う弁護士報酬や、源泉徴収の対象外の報酬も、提出範囲の金額を超えれば支払調書の対象になります
  • 不動産の使用料等の支払調書は、法人と不動産業者である個人が提出します。法人の家主に家賃だけを払っている場合は提出不要ですが、礼金や更新料などを払った場合は対象になります
  • 退職所得の源泉徴収票は、2026年1月1日以後に支払が確定した退職手当等から、役員に限らず退職金を支払った全員の分を税務署に提出します
  • 税務署に提出する法定調書には、支払を受ける人のマイナンバーまたは法人番号を記載します。本人に交付する源泉徴収票には記載しません

3. 2027年1月提出分から変わること

3.1 源泉徴収票のみなし提出の特例

令和5年度税制改正により、2027年1月1日以後に提出する令和8年分以後の源泉徴収票から、次の取扱いになります。

項目令和7年分まで(2026年1月提出分まで)令和8年分から(2027年1月以後の提出分)
給与所得の源泉徴収票の税務署への提出必要(給与支払報告書とは別に作成・提出)市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署に提出したものとみなされる(作成・提出は不要)
給与所得の源泉徴収票の提出範囲年末調整をした人は給与500万円超(役員150万円超)など給与支払報告書と同じ(年の途中の退職者で30万円以下を除くすべて)
合計表必要給与以外の法定調書がなければ不要(表4)
e-Taxなどでの提出義務種類ごとに前々年の提出枚数100枚以上種類ごとに前々年の提出枚数30枚以上
本人への源泉徴収票の交付全員に必要全員に必要(変更なし)
令和7年分以前の源泉徴収票の提出もれ・訂正は、みなし提出の対象外です。出典:国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)、No.7400・7411
令和8年分を2027年1月以後に提出する場合の変更。給与支払報告書を市区町村に提出すれば給与所得の源泉徴収票は税務署へみなし提出。給与以外の法定調書がなければ合計表不要。電子提出義務は前々年30枚以上へ。本人交付は全員に必要。

市区町村に提出された給与支払報告書の内容は、市区町村から税務署にデータで連携されます。税務署から「みなし提出された」という通知は届きません。

2026年の途中で退職した人の源泉徴収票も、2027年1月以後にほかの人の分とまとめて提出する場合は、この特例の対象として扱えます。一方、令和7年分以前の源泉徴収票の提出もれや訂正は、特例の対象外のため、これまでどおり税務署に提出します。

3.2 給与支払報告書はeLTAXでの提出がおすすめ

給与支払報告書は、eLTAX(地方税ポータルシステム)、光ディスク等、書面のいずれで提出しても、みなし提出の対象になります。eLTAXで提出すると、複数の市区町村への振り分けが自動で行われるほか、2027年2月以降、従業員の確定申告でマイナポータル連携により給与の情報が自動で入力されるようになります(書面や光ディスク等で提出した分は連携の対象外です)。

なお、eLTAXで源泉徴収票と給与支払報告書を同時に作成・提出できる「電子的提出の一元化」の機能は、2026年9月で終了しています。

3.3 本人への交付はこれまでどおり

税務署への提出が不要になっても、従業員本人への源泉徴収票の交付は、提出範囲にかかわらず全員に必要です。翌年1月31日まで(年の途中で退職した人は退職の日以後1か月以内)に交付します。本人の同意などの要件を満たせば、書面ではなく電子データで交付することもできます。

4. 合計表は必要か

4.1 給与以外の法定調書があるかで決まる

令和8年分から、給与支払報告書を市区町村に提出した場合、給与所得の源泉徴収票を税務署に提出しないため、合計表の給与所得の源泉徴収票の欄は記載不要になります。合計表が必要かどうかは、給与以外の法定調書を税務署に出すかどうかで決まります。

ケース合計表記載する内容
給与支払報告書を市区町村に提出し、ほかに税務署へ出す法定調書がない不要―
給与支払報告書を市区町村に提出し、報酬の支払調書や退職所得の源泉徴収票などを税務署へ出す必要税務署に実際に提出する法定調書の欄だけ(給与所得の源泉徴収票の欄は記載不要)
給与支払報告書を提出せず、源泉徴収票を税務署に提出する必要給与所得の源泉徴収票を含めて記載(給与支払報告書は別途市区町村に提出が必要)
源泉徴収票を税務署に提出しても、市区町村に給与支払報告書を提出したことにはなりません。給与支払報告書を提出するときは総括表もあわせて提出します。出典:国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」問6・問8
令和8年分以後、給与支払報告書を市区町村へ出している場合の合計表の判断。給与以外の法定調書を税務署へ出さなければ合計表不要、出す場合はその法定調書の欄を記載する。市区町村への総括表は必要。

給与支払報告書を市区町村に提出するときは、「給与支払報告書(総括表)」もあわせて提出します。

5. e-Taxなどでの提出義務

5.1 30枚以上なら電子提出

2027年1月1日以後に提出する法定調書は、種類ごとに、前々年に提出すべきであった枚数が30枚以上(2026年12月31日以前の提出分は100枚以上)の場合、e-Tax、認定クラウド、光ディスク等のいずれかで提出しなければなりません。

項目内容
基準法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきであった枚数が30枚以上(2026年12月31日以前の提出分は100枚以上)
判定の例2025年1月に提出すべき報酬の支払調書が30枚以上なら、2027年1月の報酬の支払調書はe-Taxなどで提出
提出方法e-Tax、国税庁長官の認定を受けたクラウドサービス、光ディスク等(CD・DVDなど)のいずれか
給与支払報告書eLTAXまたは光ディスク等での提出義務あり。前々年に税務署に提出すべきであった給与所得の源泉徴収票の枚数を、改正前の提出範囲で数えて判定(みなし提出分も含む)
枚数は種類ごとに判定し、合計はしません。出典:国税庁No.7400・7455、「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」問9 2026年10月時点の法令に基づきます。国税庁タックスアンサー(No.7400・7411・7421・7431・7441・7442・7443・7455)と「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)によります。給与支払報告書の提出方法の詳細は、eLTAXや各市区町村の案内を確認してください。

5.2 給与支払報告書の判定には注意

給与支払報告書にも、eLTAXなどでの提出義務があります。その判定は、前々年に「税務署に提出すべきであった給与所得の源泉徴収票」の枚数で行い、改正後も改正前の提出範囲(年末調整をした人なら給与500万円超、役員なら150万円超など)で数えます。みなし提出で税務署に実際には1枚も出していなくても、提出すべきであった枚数は0枚にはなりません。

6. 提出しなかった場合

法定調書を正当な理由なく期限までに提出しなかったり、偽りの記載をして提出したりした場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(所得税法242条)。提出もれや誤りに気づいたら、速やかに追加・訂正の提出をします。

令和8年分以後で、みなし提出をした給与支払報告書に誤りがあった場合は、市区町村に訂正分の給与支払報告書を提出すれば、税務署に訂正分の源泉徴収票を出したものとみなされます。eLTAXで提出した場合は、提出区分を「訂正」として出し直します。

7. よくある質問

7.1 従業員が1人だけの小さな会社でも、法定調書合計表は必要ですか

令和8年分からは、給与支払報告書を市区町村に提出し、給与以外の法定調書(税理士への報酬の支払調書など)を税務署に出さないのであれば、合計表は不要です。税理士報酬を年5万円を超えて支払っている場合などは、その支払調書と合計表を税務署に提出します。

7.2 個人事業主ですが、家賃を払っている家主に支払調書を出す必要はありますか

不動産の使用料等の支払調書を提出するのは、法人と不動産業者である個人です。不動産業者ではない個人事業主が事務所の家賃を払っている場合は、提出する必要はありません。

7.3 税理士への報酬を法人の税理士法人に払っています。支払調書は必要ですか

必要です。税理士法人などの法人への報酬は源泉徴収の対象外ですが、同じ相手への年間の支払額が5万円を超えれば、報酬・料金等の支払調書の提出範囲に当たります。

8. まとめ

給与や報酬、家賃を支払った法人・個人事業主は、毎年1月31日(2027年は2月1日)までに、法定調書と合計表を税務署へ、給与支払報告書を市区町村へ提出します。令和8年分からは、給与支払報告書を出せば税務署への給与所得の源泉徴収票の提出が不要になり、給与以外の法定調書がなければ合計表も不要になります。

一方で、報酬・不動産の使用料などの支払調書や、本人への源泉徴収票の交付はこれまでどおり必要です。e-Taxなどでの提出義務の基準も30枚以上に下がるため、自社の提出枚数を確認し、給与支払報告書はeLTAXで提出する準備をしておきましょう。

法定調書や給与支払報告書の作成・提出、源泉徴収の事務については、LivRoot税理士法人にご相談ください。

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