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住宅ローン控除で賢く節税!最大限のメリットを受けるための完全ガイド

住宅ローン控除は、マイホーム購入における大きな節税メリットとなりますが、その仕組みや手続きは複雑で分かりづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、住宅ローン控除の仕組みから、控除額の計算方法、申請手続き、贈与税の非課税制度や3,000万円特別控除との関係、借り換え・売却時の取り扱い、よくある質問まで、住宅ローン控除に関する情報を網羅的に解説します。2026年(令和8年)以降に入居する方向けの最新の制度内容に基づいてまとめていますので、これからマイホームを購入する方はもちろん、すでに購入した方も確認にお役立てください。
1. 住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除(正式名称は「住宅借入金等特別控除」)とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、一定の要件を満たせば所得税が減額される制度です。住宅ローン控除は、ふるさと納税のような寄附金控除や医療費控除等の「所得控除」とは異なり、「税額控除」に該当します。税額控除は税金の額から直接差し引かれるため、節税効果が非常に高いのが特徴です。
1.1 住宅ローン控除の仕組み

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高(住宅の取得対価の方が少ない場合はその額)の0.7%を、その年の所得税から控除する仕組みです。控除期間は、新築住宅・買取再販住宅の場合は13年間です。既存住宅(中古住宅)の場合は、認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅であれば13年間、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は10年間です(2025年以前に入居した場合は、既存住宅は種類を問わず10年間でした)。
また、所得税から控除しきれなかった金額がある場合は、翌年度の住民税から控除されます。ただし、住民税からの控除には「前年の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)」という上限があります。控除額は納めるべき税額が上限となるため、所得税と住民税の合計額を超えて還付されることはありません。
1.2 住宅ローン控除の適用要件
住宅ローン控除の適用を受けるためには、居住・所得・住宅・借入金のそれぞれについて、いくつかの要件を満たす必要があります。主要な要件は以下のようになっています。
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 居住 | 住宅を取得(または増改築等)した日から6か月以内に居住を開始していること |
| 控除を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること | |
| 所得 | 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は1,000万円以下) |
| 住宅 | 登記簿上の床面積が40㎡以上であること(合計所得金額1,000万円超の方、子育て世帯等の上乗せ措置を利用する方は50㎡以上) |
| 床面積の2分の1以上が自己の居住用であること | |
| 新築・買取再販の場合:省エネ基準に適合していること(省エネ基準を満たさない住宅は、2023年12月31日までに建築確認を受けたもの等を除き対象外) | |
| 既存住宅の場合:1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準適合証明書等で新耐震基準への適合が証明されたもの | |
| 贈与による取得や、配偶者・生計を一にする親族などからの取得でないこと | |
| 借入金 | 返済期間が10年以上であること |
| 住宅の新築・取得・増改築等のための借入金であること | |
| 金融機関や住宅金融支援機構などからの借入金であること(親族・知人からの借入金は対象外。勤務先からの借入れは年利0.2%以上のものに限る) |
床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅については、合計所得金額が1,000万円以下の年に限って適用され、後述する子育て世帯・若者夫婦世帯向けの借入限度額の上乗せ措置は利用できません。また、新築住宅は原則として省エネ基準に適合していることが必要で、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は、2023年12月31日までに建築確認を受けたものなど一部の例外を除いて対象外です。
このように住宅ローン控除の適用を受けるためには様々な要件を満たす必要があります。さらに、後述するように住宅ローン控除の適用を受ける初めの年には確定申告が必要となりますので、お悩みの際は税理士に相談することをおすすめします。
1.3 2026年以降の入居に適用される制度改正のポイント
住宅ローン控除は2025年(令和7年)末で期限を迎える予定でしたが、令和8年度税制改正により、2026年1月1日から2030年(令和12年)12月31日までの入居分まで5年間延長されました。あわせて、次のような見直しが行われています。
- 既存住宅(中古)の拡充:認定住宅・ZEH水準省エネ住宅の借入限度額が3,000万円から3,500万円に引き上げられ、省エネ基準を満たす既存住宅の控除期間が10年から13年に延長。子育て世帯・若者夫婦世帯向けの上乗せ措置も既存住宅に拡大
- 床面積要件の緩和:新築・既存住宅ともに、床面積要件が40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の方と、子育て世帯等の上乗せ措置を利用する方は50㎡以上)
- 新築の省エネ基準適合住宅の縮小:借入限度額が2,000万円(子育て世帯等は3,000万円)となり、2028年以降に建築確認を受けるものは対象外に
- 災害レッドゾーンの新築住宅:2028年以降に入居する場合は対象外(建て替え・既存住宅は対象)
2. 住宅ローン控除でどれくらい節税できる?
住宅ローン控除を利用することで、どれくらいの節税効果が見込めるのか、具体的な計算方法と金額の例をご紹介します。
2.1 計算方法と借入限度額

住宅ローン控除額は「年末の住宅ローン残高 × 0.7%」で計算されます。ただし、控除額の計算の基礎となる年末残高には、住宅の種類(省エネ性能)や世帯の状況に応じた上限(借入限度額)が設けられており、控除期間も住宅の種類によって異なります。
2026年(令和8年)から2030年(令和12年)までに居住を開始した場合の借入限度額と控除期間は、以下のとおりです。
| 住宅の種類 | 借入限度額(一般世帯) | 借入限度額(子育て世帯・若者夫婦世帯) | 控除率 | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 0.7% | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 | |
| 省エネ基準適合住宅(2026年・2027年入居) | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 | |
| 省エネ基準適合住宅(2028年以降入居) | 対象外(2027年12月31日までに建築確認を受けた住宅等は2,000万円・10年) | ― | ||
| その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅) | 対象外(2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅等は2,000万円・10年) | 0.7% | ― | |
| 住宅の種類 | 借入限度額(一般世帯) | 借入限度額(子育て世帯・若者夫婦世帯) | 控除率 | 控除期間 |
|---|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 | |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 | |
| その他の住宅 | 2,000万円 | 2,000万円(上乗せなし) | 10年 |
表中の「子育て世帯・若者夫婦世帯」とは、①19歳未満の扶養親族がいる世帯、または②夫婦のいずれかが40歳未満の世帯をいい、入居した年の12月31日時点の状況で判定します。該当する場合は、確定申告の際に「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に配偶者や扶養親族の氏名・生年月日・マイナンバーなどを記載することで、上乗せ後の借入限度額が適用されます。
なお、2024年・2025年に入居した方は、上記とは異なる借入限度額(例:新築の認定住宅4,500万円、子育て世帯等は5,000万円、既存住宅の認定住宅等3,000万円・10年など)が適用されます。
2.2 具体的な計算例
たとえば、2026年に新築の認定長期優良住宅に入居し、年末のローン残高が4,000万円、その年の所得税額が20万円、翌年度の住民税の課税総所得金額等が300万円の方(子育て世帯等に該当しない場合)を考えてみましょう。
- 控除額の計算:年末残高4,000万円は借入限度額4,500万円以下なので、4,000万円 × 0.7% = 28万円
- 所得税からの控除:所得税額20万円が全額控除され、8万円が控除しきれずに残ります
- 住民税からの控除:残りの8万円は、翌年度の住民税から控除されます(上限は課税総所得金額等300万円 × 5% = 15万円ですが、97,500円が最高額のため、この例では8万円全額が控除されます)
この方の場合、初年度の節税額は所得税と住民税を合わせて28万円となります。年末残高は返済に伴って毎年減少するため、控除額も年々少しずつ減っていきます。
2.3 シミュレーションツールの活用
金融機関や住宅情報サイトの多くが、年収・借入額・住宅の種類を入力するだけで控除額の目安を計算できるシミュレーションツールを提供しています。ただし、シミュレーションはあくまで目安であり、所得控除の内容や住民税の状況によって実際の控除額とは異なる場合があります。正確な控除額を知りたい場合は、税理士にご相談ください。
3. 住宅ローン控除を受けるための手続き

初めて住宅ローン控除を受ける年は、給与所得者であっても確定申告を行う必要があります。2年目以降は、給与所得者は年末調整で、個人事業主などは確定申告で手続きを行います。
3.1 初年度の確定申告と必要書類
入居した年の翌年の確定申告期間(2月16日から3月15日まで。還付申告の場合は1月から提出できます)に、住所地を管轄する税務署へ確定申告を行います。主な必要書類は以下のとおりです。
| 書類 | 入手先・ポイント |
|---|---|
| 確定申告書 | 国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成可能。マイナンバーを記載する(住民票の写しは不要) |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署・国税庁サイト。子育て世帯等の上乗せを受ける場合は配偶者・扶養親族の情報を記載 |
| 住宅ローンの年末残高証明書 | 金融機関が発行。調書方式に対応した金融機関で「住宅ローン控除の適用申請書」を提出済みの場合は添付不要 |
| 登記事項証明書 | 法務局。計算明細書に不動産番号を記載すれば添付を省略できる |
| 売買契約書・工事請負契約書の写し | 取得対価・契約日を確認するための書類 |
| 給与所得の源泉徴収票 | 勤務先が発行。提出は不要だが申告書作成に必要 |
| 認定通知書の写し、住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書など | 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅として上乗せ後の借入限度額を受ける場合に必要 |
| 耐震基準適合証明書、既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書など | 1981年12月31日以前に建築された既存住宅の場合に必要 |
令和6年1月以降の申告からは、金融機関が税務署に年末残高の情報を直接提出する「調書方式」への移行が進んでいます。調書方式に対応した金融機関で借り入れた場合は、借入時に金融機関へ「住宅ローン控除の適用申請書」を提出しておくことで、年末残高証明書を確定申告書に添付する必要がなくなります。ご自身の金融機関が対応しているかは、国税庁のウェブサイトで確認できます。
なお、以前は必要だった住民票の写しは、申告書へのマイナンバーの記載により提出不要となっています。必要書類は住宅の種類や状況によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
3.2 2年目以降の年末調整での手続き
2年目以降、給与所得者は勤務先の年末調整で住宅ローン控除の適用を受けることができます。初年度の確定申告後、税務署から残りの控除期間分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」がまとめて送付されます(e-Taxで申告した場合は電子データでの交付も選択できます)。毎年、その年分の申告書に必要事項を記入し、金融機関発行の年末残高証明書(調書方式に対応した金融機関の場合は不要)とあわせて勤務先に提出します。
年末調整で住宅ローン控除を受けられるのは、年末調整を行う勤務先がある給与所得者に限られます。個人事業主の方や、年末調整の対象とならない方は、2年目以降も毎年確定申告で手続きを行います。
4. 他の制度との関係
4.1 住宅取得等資金の贈与税の非課税制度との併用
父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、2026年(令和8年)12月31日までの贈与については、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅で500万円まで贈与税が非課税となる制度があります。この制度は住宅ローン控除と併用できますが、住宅ローン控除の計算上、住宅の取得対価から非課税の適用を受けた贈与額を差し引く必要があります。取得対価から贈与額を差し引いた金額が年末残高より少ない場合は、その少ない方の金額が控除額の計算の基礎になる点に注意しましょう。
4.2 3,000万円特別控除との併用は不可
マイホームを売却して新しい住宅に買い替える場合、売却益に対する「居住用財産の3,000万円特別控除」と、新居の住宅ローン控除は併用できません。具体的には、新居に入居した年とその前2年、後3年の合計6年間に3,000万円特別控除を利用すると、新居の住宅ローン控除は受けられなくなります。どちらが有利かは、売却益の大きさや新居のローン残高によって異なるため、買い替えを検討している方は事前に試算しておくことが重要です(詳しくは別記事「住宅ローン控除と3,000万円特別控除の比較」をご参照ください)。
5. 住宅ローン控除に関するよくある質問
住宅ローン控除に関するよくある質問とその回答をまとめました。疑問を解消して、スムーズに手続きを進めましょう。
5.1 控除期間中に住宅を売却したらどうなる?
住宅ローン控除は、その年の12月31日まで引き続き居住していることが要件のため、控除期間中に住宅を売却して転居した場合、売却した年以降は控除を受けることができません。ただし、売却によって利益が出た場合は「居住用財産の3,000万円特別控除」、損失が出た場合は「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」等の制度を利用することで、税金の負担を減らすことができます。詳しくは別記事をご参照ください。
5.2 住宅ローンを借り換えた場合、控除はどうなる?
住宅ローンを借り換えた場合でも、①新しいローンが当初のローンの返済のためのものであることが明らかで、②返済期間10年以上など住宅ローン控除の要件を満たしていれば、引き続き控除を受けることができます。ただし、借り換えによってローン残高が当初の残高より増えた場合は、増えた部分は控除の対象にならず、年末残高に「借り換え直前の残高 ÷ 借り換え後の借入額」を掛けた金額が控除の対象になります。また、借り換えによって控除期間が延長されることはありません。控除期間は、最初に入居した年から数えます。
5.3 控除期間中に住宅を売却し、新たに住宅を購入した場合は?
旧居の控除は売却した年以降受けられなくなりますが、新居について住宅ローン控除の要件を満たしていれば、新居の入居年から改めて控除を受けることができます。この場合、控除期間は新居の入居年から新たに数え直されます。ただし、4.2で解説したとおり、旧居の売却で3,000万円特別控除を利用すると、新居の住宅ローン控除は受けられなくなるため注意が必要です。
5.4 住宅を夫婦共有名義で購入した場合、控除はどうなる?
夫婦それぞれがローンを組む「ペアローン」の場合は、それぞれが自分のローンの年末残高をもとに控除を受けることができます。1本のローンを夫婦が連帯債務者として借りている場合は、年末残高を夫婦間で取り決めた負担割合で按分し、それぞれが控除を受けます。いずれの場合も、各自の控除の基礎となる金額は「住宅の取得対価 × 自分の持分割合」が上限となります。なお、合計所得金額の要件(2,000万円以下)は、夫婦の合計ではなく1人ずつ判定します。一方が連帯保証人になっているだけの場合は、債務者本人のみが控除を受けられます。
5.5 転勤などで一時的に住まなくなった場合は?
家族全員で転居した場合、住んでいない年は控除を受けられませんが、控除期間内に再び居住すれば、再入居した年から残りの期間について控除を再開できます。転居前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に提出しておく必要があります。単身赴任で家族が引き続き居住している場合は、そのまま控除を受けることができます。
6. まとめ

住宅ローン控除は、マイホーム購入者にとって大きな節税メリットのある制度です。本記事では、住宅ローン控除の仕組みや適用要件、控除額の計算方法、申請手続き、贈与税の非課税制度や3,000万円特別控除との関係、売却・借り換え時の取り扱いなどを網羅的に解説しました。住宅ローン控除を最大限に活用するためには、住宅の省エネ性能や世帯の状況に応じた借入限度額を把握し、初年度の確定申告を確実に行うことが重要です。制度は2030年末の入居分まで延長されましたが、新築の省エネ基準適合住宅の縮小や災害レッドゾーンの取り扱いなど、今後段階的に変わる部分もあるため、購入のタイミングに合わせて最新の情報を確認することも大切です。本記事の情報が、読者の皆様の賢いマイホーム購入の一助となれば幸いです。
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