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【2026年版】仮想通貨(暗号資産)の税金完全ガイド|確定申告の基礎知識と2028年からの分離課税20%をわかりやすく解説

更新日: 2026年10月1日 | カテゴリ: 個人事業主
暗号資産の税金。取引の記録から申告まで

仮想通貨(暗号資産)で利益が出たら確定申告は必要?損をしたらどうなる?税金のことがよくわからない…という方は多いのではないでしょうか。仮想通貨の利益は、現在は「雑所得」として給与などと合算して課税され、最高で55%の税率がかかります。一方で、令和8年度税制改正により、国内の取引所で売買した主要な暗号資産については、2028年から株式と同じ申告分離課税(税率20%)に変わる見込みです。本記事では、2026年時点の最新情報にもとづき、仮想通貨の税金の基礎知識、売買・交換・レンディング・ステーキング・NFTなど取引ごとの課税関係、所得の計算方法と確定申告の手順、そして分離課税への移行スケジュールと注意点までを網羅的に解説します。

この記事のポイントは次の3点です。

  • 仮想通貨の利益は原則「雑所得」で、給与などと合算して5〜45%(住民税を含めると最高55%)の税率で課税される。損失は給与など他の所得と相殺できず、翌年への繰越しもできない
  • 日本円に換金したときだけでなく、他の仮想通貨との交換、商品の購入、レンディングやステーキングの報酬を受け取ったときも課税される
  • 令和8年度税制改正で、国内取引所を通じた主要な暗号資産の売却益は申告分離課税20%・損失3年繰越しに変わる。適用は2028年1月1日以後の譲渡からの見込みで、2026年分・2027年分は現行ルールのまま

1. 仮想通貨の税金に関する基礎知識

1.1 所得区分は原則「雑所得」

仮想通貨の取引で得た利益は、株式やFXとは異なり、所得税法上は原則として「雑所得(その他雑所得)」に区分されます。給与所得や事業所得など他の所得と合算する「総合課税」の対象となり、所得税と住民税がかかります。

ただし、その年の仮想通貨取引の収入金額が300万円を超える場合は、取引に関する帳簿書類を保存していれば原則として事業所得、帳簿書類の保存がなければ「業務に係る雑所得」に区分されます。事業所得になれば青色申告特別控除や損失の繰越しなどの特典を受けられる可能性があります。ただし、この300万円と帳簿の基準はあくまで形式的な目安で、暗号資産取引を事業として営んでいる実態(営利性・継続性など)がなければ、収入が300万円を超えて帳簿を付けていても雑所得と判断されることがあります。個人投資家の売買は、原則として雑所得と考えておきましょう。また、事業者が事業用資産として保有する仮想通貨を仕入代金の決済に使った場合なども事業所得になります。

1.2 課税されるタイミング

仮想通貨は「日本円に換金したときだけ課税される」と誤解されがちですが、実際には保有する仮想通貨を手放したり、新たに仮想通貨を受け取ったりした時点で所得が発生します。主なタイミングは次のとおりです。

取引課税されるか所得になる金額
日本円に換金(売却)課税売却価額-譲渡原価-手数料
他の仮想通貨と交換課税交換で取得した仮想通貨の時価-手放した仮想通貨の譲渡原価
商品・サービスの購入に使用課税商品の価額-使用した仮想通貨の譲渡原価
マイニング・ステーキング・レンディングの報酬受取課税受け取った時点の時価(費用は必要経費)
エアドロップの受取課税(取引相場がある場合)受け取った時点の時価
分裂(ハードフォーク)で新通貨を取得取得時は課税なし取得価額0円。売却したときに売却価額の全額が所得
購入して保有しているだけ(含み益)課税なし―
贈与・相続で取得贈与税・相続税贈与時・相続開始時の交換業者の取引価格で評価
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」令和7年12月 1-1〜1-7、4-1・4-2
暗号資産の売却・交換・商品購入と報酬受取の所得を確認

特に注意が必要なのは「仮想通貨同士の交換」と「仮想通貨での商品購入」です。ビットコインでイーサリアムを買った場合、税務上はビットコインを売却してイーサリアムを購入したことになり、ビットコインの値上がり益が課税されます。日本円を一度も受け取っていなくても課税される点に注意してください。

1.3 税率

雑所得として総合課税される場合、所得税は課税所得に応じて5%から45%の超過累進税率が適用され、これに復興特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税10%が加わります。所得が大きくなるほど税率が上がり、最高で約55%の税負担になります。

課税所得金額所得税率控除額住民税率
195万円以下5%0円10%
195万円超330万円以下10%97,500円10%
330万円超695万円以下20%427,500円10%
695万円超900万円以下23%636,000円10%
900万円超1,800万円以下33%1,536,000円10%
1,800万円超4,000万円以下40%2,796,000円10%
4,000万円超45%4,796,000円10%
所得税額には復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算されます。仮想通貨の利益は給与などと合算した課税所得で税率が決まります。出典:国税庁タックスアンサーNo.2260

たとえば給与所得が500万円の会社員が仮想通貨で300万円の利益を得た場合、利益の300万円がそのまま課税所得に上乗せされるため、上乗せ部分には所得税20%または23%と住民税10%が適用されます。給与が高い人ほど仮想通貨の利益にかかる税率も高くなるのが総合課税の特徴です。

1.4 損失が出た場合の扱い

雑所得の計算上生じた損失は、給与所得や事業所得など他の所得から差し引く(損益通算する)ことはできません。また、株式やFXのように損失を翌年以降に繰り越すこともできません。同じ年の雑所得どうし(たとえば副業の原稿料と仮想通貨の損失)であれば、雑所得の内部で相殺することは可能です。

そのため、現行制度では「損失が出た年に利益のある仮想通貨を売って相殺する」「年をまたぐ前に損益を確認する」といった、年内での損益管理が重要になります。2028年からの分離課税では損失の3年繰越しが認められる予定ですが、それまでの年に生じた損失は繰り越せません。

2. 仮想通貨の確定申告が必要なケース

仮想通貨の利益があっても、すべての人に確定申告が必要なわけではありません。ご自身の状況を確認しましょう。

状況所得税の確定申告住民税の申告
会社員で、仮想通貨の利益と副業などの給与以外の所得の合計が年20万円を超える必要必要(確定申告をすれば不要)
会社員で、給与以外の所得の合計が年20万円以下不要(医療費控除やふるさと納税などで確定申告する場合は含めて申告)必要(市区町村へ住民税の申告)
給与収入が2,000万円を超える必要―
2か所以上から給与を受け、年末調整されなかった給与と給与以外の所得の合計が20万円を超える必要―
個人事業主・フリーランスなどもともと確定申告をしている人必要(金額にかかわらず雑所得に含める)―
仮想通貨の年間損益がマイナス義務なし(損失は繰り越せない)―
出典:国税庁タックスアンサーNo.1900、No.2020

会社員など給与所得者の場合、給与以外の所得(仮想通貨の利益と副業などの所得の合計)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。ただし、この「20万円ルール」は所得税だけの特例で、住民税には適用されません。20万円以下でも市区町村への住民税の申告は必要です。また、医療費控除やふるさと納税の寄附金控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の仮想通貨の利益も含めて申告しなければなりません。

損失が出た年は所得税の確定申告義務はありませんが、雑所得の損失は繰り越せないため、申告しても翌年以降の節税にはつながりません。

3. 仮想通貨の所得金額の計算方法

3.1 計算式

仮想通貨の所得金額は、次の計算式で求めます。

所得金額 = 総収入金額(売却価額・交換した仮想通貨の時価・受け取った報酬の時価など)- 譲渡原価(売却した仮想通貨の取得価額)- 必要経費(取引手数料など)

年間の取引をすべて集計して1年分の所得金額を計算します。複数の取引所を利用している場合は、すべての取引所の取引を合算します。

3.2 譲渡原価の計算:総平均法と移動平均法

同じ仮想通貨を複数回に分けて購入している場合、売却した分の取得価額(譲渡原価)は「総平均法」または「移動平均法」で計算します。総平均法は、その年の購入金額の合計を購入数量の合計で割って1単位あたりの平均取得価額を求める方法で、計算が簡単です。移動平均法は購入のたびに平均取得価額を計算し直す方法で、取引ごとの損益を正確に把握できます。

評価方法は「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」で選択し、届出をしなかった場合は総平均法になります。一度選んだ方法を変更するには、変更しようとする年の3月15日までに変更承認申請書を提出する必要があり、原則として3年間は変更できません。

3.3 計算例

国税庁のFAQに掲載されている計算例をもとに、売却と交換のケースを見てみましょう。

取引内容計算所得金額
前提4月2日に4BTCを400万円で購入1BTCあたりの取得価額=400万円÷4BTC=100万円―
売却0.2BTCを21万円で売却21万円-100万円×0.2BTC1万円
交換1BTCで40XRP(1XRP=3万円)を購入3万円×40XRP-100万円×1BTC20万円
商品購入40万3,000円の商品を0.3BTCで購入40万3,000円-100万円×0.3BTC10万3,000円
国税庁FAQ 1-1〜1-3の設例。手数料は考慮していません。取得価額は総平均法または移動平均法で計算します。

4BTCを400万円で購入した場合、1BTCあたりの取得価額は100万円です。0.2BTCを21万円で売却すると、譲渡原価は100万円×0.2BTC=20万円なので、所得金額は21万円-20万円=1万円になります。1BTCで時価120万円分のリップルを購入した場合は、ビットコインを120万円で売却したことになり、120万円-100万円=20万円が所得になります。

3.4 必要経費になるもの

必要経費として認められるのは、売却した仮想通貨の譲渡原価と、売却の際に支払った手数料など、仮想通貨の売却のために直接必要な支出です。インターネットやスマートフォンの回線利用料は、仮想通貨取引にかかる部分を明確に区分できる場合に限り、その部分だけが必要経費になります。パソコンなど10万円以上で1年以上使用する資産は、購入した年に全額を経費にするのではなく減価償却が必要です。事業所得または業務に係る雑所得に区分される場合は、販売費・一般管理費など業務について生じた費用も必要経費に算入できます。

区分具体例扱い
譲渡原価売却した仮想通貨の取得価額(購入代金+購入時の手数料)必要経費
取引に直接必要な費用売却時の取引手数料、送金手数料、損益計算ツールの利用料必要経費
通信費インターネット・スマートフォンの回線利用料仮想通貨取引に係る部分を明確に区分できる場合のみ、その部分が必要経費
パソコンなどの資産取引に使うパソコン(10万円以上・1年以上使用)購入年に一括ではなく減価償却費として計上
マイニングの費用電気代、機器の減価償却費必要経費
書籍・セミナー代・家賃など仮想通貨の勉強のための書籍、セミナー、自宅の家賃「その他雑所得」では原則として経費にならない(事業所得・業務に係る雑所得なら業務に必要な部分は可)
出典:国税庁FAQ 2-3

3.5 取引履歴の入手と計算ツール

国内の暗号資産交換業者を利用している場合は、毎年「年間取引報告書」が交付されます。年間取引報告書には、年始・年末の保有数量、年中の購入・売却の数量と金額、支払手数料などが記載されており、国税庁が公開している「暗号資産の計算書」(総平均法用・移動平均法用のExcel)に転記すれば所得金額を計算できます。海外の取引所や個人間取引は年間取引報告書がないため、取引履歴と取引所の公表相場をもとに自分で計算します。外貨建ての取引は、取引時の為替レート(TTM)で円に換算します。

取引履歴を残しておらず取得価額がわからない場合は、売却価額の5%を取得価額とみなして計算することが認められていますが、実際の取得価額より大幅に低くなることが多く、税負担が増えます。取引履歴は必ず保存しておきましょう。取引の回数が多い場合や複数の取引所・DeFiを利用している場合は、取引履歴を取り込んで自動で損益計算を行う民間の計算ツールを利用すると、計算ミスを防げます。

4. 取引の種類ごとの課税関係

仮想通貨の取引には様々な種類があり、それぞれ課税のタイミングや所得区分が異なります。

4.1 売却・交換・商品購入

保有する仮想通貨を日本円に換金した場合、他の仮想通貨と交換した場合、商品やサービスの購入に使った場合は、いずれも仮想通貨を「譲渡」したものとして、譲渡価額(受け取った円・交換した仮想通貨の時価・商品の価額)と譲渡原価との差額が所得になります。

4.2 マイニング・ステーキング・レンディング

マイニングや、保有する仮想通貨を預けて報酬を得るステーキング・レンディングにより仮想通貨を取得した場合は、取得した時点の時価が総収入金額になり、マイニングにかかった電気代などの費用は必要経費になります。報酬を売却していなくても、受け取った時点で課税される点に注意が必要です。受け取った仮想通貨を後日売却する際は、受取時の時価が取得価額になります。

4.3 エアドロップ・分裂(ハードフォーク)

エアドロップで無償配布された仮想通貨は、取引相場のある通貨であれば受け取った時点の時価が所得になります。一方、分裂(ハードフォーク)によって新たに誕生した仮想通貨は、分裂時点では取引相場がなく価値を有していなかったと考えられるため、取得時点では課税されず、取得価額0円として売却時に全額が所得になります。

4.4 DeFi

DeFi(分散型金融)での取引も、基本的な考え方は同じです。流動性提供の報酬として受け取ったトークンは受取時の時価が所得になり、DEX(分散型取引所)で仮想通貨を交換した場合は通常の交換と同様に課税されます。取引の記録が取引所から交付されないため、ウォレットの履歴を自分で管理する必要があります。なお、2028年からの分離課税はDEXや海外取引所での取引には適用されず、総合課税のままとなる見込みです。

4.5 NFT

NFT(非代替性トークン)は、暗号資産などの財産的価値のある資産と交換できるものであれば所得税の課税対象になります。購入したNFTを売却して値上がり益を得た場合は原則として譲渡所得(営利目的で継続的に売買している場合は雑所得または事業所得)、自分で制作したNFTを販売した場合や役務提供の対価として受け取った場合は事業所得・雑所得(給与として受け取った場合は給与所得)、臨時・偶発的に取得した場合は一時所得に区分されます。仮想通貨より所得区分が複雑なため、取引内容ごとの確認が必要です。

4.6 贈与・相続

仮想通貨を贈与や相続で取得した場合は、贈与税・相続税の対象になります。活発な市場がある仮想通貨は、取引をしている交換業者が公表する贈与時・相続開始時の取引価格で評価します。年間110万円の基礎控除を超える贈与を受けた場合は贈与税の申告が必要です。

見落としがちなのが贈与した側の課税です。仮想通貨は税務上、棚卸資産に準じて扱われるため、個人が仮想通貨を他の個人や法人に贈与した場合、贈与した時点の時価を総収入金額に算入して、贈与者の雑所得(または事業所得)を計算することとされています(所得税法40条)。つまり、値上がりした仮想通貨を家族に贈与すると、贈与した本人には含み益に対する所得税が、受け取った家族には贈与税がかかる可能性があります。時価の70%未満の価額で売る「低額譲渡」も、時価の70%との差額が贈与とみなされて総収入金額に算入されます。なお、贈与や相続で受け取った側がその仮想通貨を後日売却するときの取得価額は、贈与時・相続時の時価になります。贈与の前に税理士に相談することをおすすめします。

取引の種類所得区分所得の計算・ポイント
売却・交換・商品購入雑所得(収入300万円超で帳簿ありは事業所得)譲渡価額-譲渡原価-手数料
マイニング・ステーキング・レンディング雑所得(または事業所得)受取時の時価が収入。売却時は受取時の時価が取得価額
エアドロップ雑所得受取時の時価(取引相場がない場合は売却時に課税)
分裂(ハードフォーク)雑所得取得時は課税なし。取得価額0円で売却時に課税
DeFi(流動性提供・DEXでの交換)雑所得報酬は受取時の時価、交換は通常の交換と同じ。改正後も総合課税
NFTの売却(値上がり益)譲渡所得(継続的な売買は雑所得・事業所得)売却価額-取得費-譲渡費用
NFTの制作・販売、役務の対価としての取得事業所得・雑所得(給与として受けた場合は給与所得)販売価額・取得時の時価
贈与を受けた贈与税贈与時の交換業者の取引価格。年110万円の基礎控除
贈与した贈与者の雑所得(または事業所得)贈与時の時価を総収入金額に算入
相続した相続税相続開始時の交換業者の取引価格で評価
出典:国税庁FAQ(令和7年12月)、タックスアンサーNo.1525-2

5. 仮想通貨の確定申告の方法

5.1 必要な書類

  • 確定申告書(令和4年分以降は申告書AとBの区別がなくなり、一つの様式になっています)
  • 各取引所の年間取引報告書、取引履歴
  • 暗号資産の計算書(国税庁の様式または計算ツールの出力)
  • 給与所得者は源泉徴収票、各種控除の証明書
  • マイナンバーカードなど本人確認書類

5.2 申告書の書き方

仮想通貨の利益は、確定申告書第一表・第二表の「雑所得(その他)」の欄に、収入金額と所得金額を記載します。第二表には所得の生ずる場所(取引所名)や必要経費を記載します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って雑所得の収入金額と必要経費を入力するだけで税額が自動計算され、そのままe-Taxで送信できます。

5.3 申告と納付の期限

確定申告の期間は翌年2月16日から3月15日までで、所得税の納付期限も3月15日です。振替納税を利用すれば4月中旬から下旬の引き落としになります(2026年は4月23日)。住民税は申告内容にもとづいて翌年6月以降に課税されます。給与から天引きされる住民税に仮想通貨の分が上乗せされると勤務先に副収入の存在がわかるため、避けたい場合は確定申告書第二表で住民税の徴収方法を「自分で納付」にします。

申告期限を過ぎたり申告をしなかったりすると、無申告加算税や延滞税が課され、意図的に隠した場合は重加算税の対象になります。国内取引所の取引記録は税務署が把握できるため、「少額だからばれない」という考えは通用しません。海外取引所の取引についても、国際的な情報交換の仕組みが整備されつつあります。

6. 令和8年度税制改正:2028年から申告分離課税20%へ

6.1 改正の内容

令和8年度税制改正で、仮想通貨の税制は大きく見直されました。国内の「暗号資産取引業者」(改正金融商品取引法にもとづく登録業者)を通じて「特定暗号資産」(金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産で、ビットコインやイーサリアムなど国内取引所で取り扱われる主要な銘柄が対象になる見込み)を売却した場合の所得は、他の所得と分離して所得税15%・住民税5%の合計20%で課税されます。あわせて、その損失は翌年以後3年間にわたり特定暗号資産の譲渡所得等から繰越控除できるようになり、暗号資産のデリバティブ取引もFXと同じ20%の申告分離課税の対象に加わります。

項目現行制度(2027年分まで)改正後(2028年1月1日以後の譲渡の見込み)
対象すべての暗号資産取引国内の暗号資産取引業者を通じた「特定暗号資産」(国内取引所で取り扱う主要銘柄)の譲渡
所得区分・課税方式雑所得・総合課税申告分離課税(譲渡所得等)
税率所得税5〜45%+住民税10%(最高約55%)所得税15%+住民税5%=20%(復興特別所得税を含め20.315%)
損失の繰越しできない翌年以後3年間、特定暗号資産の譲渡所得等から繰越控除(毎年の確定申告が必要)
他の所得との損益通算できない(同一年の雑所得内のみ)上場株式等とは通算できない。特定暗号資産の現物・デリバティブ・ETFはそれぞれ別のグループ
暗号資産のデリバティブ取引雑所得・総合課税FXと同じ20%の申告分離課税・3年繰越し
海外取引所・DEX・個人間取引雑所得・総合課税変更なし(総合課税のまま)
特定口座(源泉徴収)なし設けられない(自分で計算して確定申告)
取引業者から税務署への報告年間取引報告書(納税者向け)取引業者が氏名・マイナンバー・取引内容を記載した報告書を税務署に提出(適用開始の翌年から)
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」一4(2)、所得税法等の一部を改正する法律(令和8年3月31日成立)
暗号資産の現行課税と改正概要の対象を分けて確認

一方で、海外取引所やDEX、個人間取引など暗号資産取引業者を通さない譲渡や、特定暗号資産に該当しない銘柄の譲渡は、改正後も総合課税のままです。同じビットコインでも、どこで売るかによって税率が変わることになります。また、株式のような特定口座(源泉徴収あり)の仕組みは設けられないため、分離課税になっても自分で損益を計算して確定申告する必要があります。

6.2 いつから適用されるのか

分離課税は、暗号資産を金融商品取引法の規制対象に移す「金融商品取引法等の改正法」の施行日の属する年の翌年1月1日以後の譲渡から適用されます。改正法は2026年7月15日に成立し、公布から1年以内に施行される予定のため、施行が2027年になれば2028年1月1日以後の譲渡が対象になります(施行が2026年中であれば2027年1月1日から)。取引業者から税務署への取引報告書の提出は、その翌年からです。

時期出来事仮想通貨の課税
2025年12月26日令和8年度税制改正の大綱を閣議決定―
2026年3月31日所得税法等の一部を改正する法律が成立・公布―
2026年7月15日暗号資産を金融商品取引法の規制対象に移す改正法が成立―
2026年分(2027年3月申告)改正法の施行準備(施行は公布から1年以内に政令で決定)雑所得・総合課税(現行どおり)
2027年分(2028年3月申告)改正法施行(2027年中の見込み)雑所得・総合課税(現行どおり)。施行が2026年中なら2027年分から分離課税
2028年1月1日以後の譲渡(2029年3月申告)申告分離課税の適用開始(見込み)国内取引所での特定暗号資産の譲渡は20%・損失3年繰越し。海外取引所・DEXは総合課税のまま
2029年以後取引業者から税務署への取引報告書の提出開始―
適用開始日は「金融商品取引法等改正法の施行日の属する年の翌年1月1日」。施行日は今後の政令で確定するため、最新情報をご確認ください。
暗号資産の分離課税は改正法の施行年の翌年から適用する考え方

つまり、2026年分と2027年分の確定申告(2027年3月・2028年3月申告)は、これまでどおり雑所得・総合課税で行うことになります。

6.3 改正前に考えておきたいこと

改正後は、取得した時期に関係なく、適用開始日以後に売却した分が分離課税になります。含み益の大きい仮想通貨を長期保有している人は、適用開始後に国内取引所で売却すれば税率20%で済むため、売却時期を検討する余地があります。反対に、含み損がある場合は、現行制度では損失を繰り越せないため、利益のある年に相殺できるかどうかを考える必要があります。

ただし、価格変動リスクや制度の細部(対象銘柄・取引所の範囲、経過措置など)は今後の政令・省令で決まる部分があるため、税金だけを理由に売買時期を決めるのは危険です。最新の情報を確認しながら、税理士に相談したうえで判断してください。

7. 仮想通貨の税金で損をしないためのポイント

  • 年内に損益を確認する:損失は翌年に繰り越せないため、含み益と含み損のある通貨を年内に整理して雑所得内で相殺する
  • 必要経費を漏れなく計上する:取引手数料、送金手数料、区分できる通信費、計算ツールの利用料などを記録しておく
  • 取引履歴を保存する:年間取引報告書、海外取引所やウォレットの履歴、取引時のレートを保存する。取得価額が不明だと売却価額の5%しか経費にできない
  • 評価方法を検討する:取引回数が多い場合は移動平均法の方が有利になることもある。変更は3月15日までの申請が必要
  • 20万円以下でも住民税の申告を忘れない
  • 2028年の分離課税を見据えて売却時期を検討する:国内取引所での売却が対象。海外取引所・DEXは総合課税のまま

8. よくある質問

8.1 複数の取引所を利用している場合はどうすればいいですか?

各取引所の年間取引報告書や取引履歴を取得し、すべての取引を合算して所得金額を計算します。同じ通貨を複数の取引所で売買している場合、総平均法では取引所をまたいで平均取得価額を計算します。

8.2 海外の取引所を利用している場合も申告が必要ですか?

日本の居住者は、海外取引所の取引も含めて申告が必要です。年間取引報告書がないため、取引履歴をダウンロードし、外貨建ての取引は取引時の為替レートで円換算して計算します。海外取引所やDEXでの取引は、2028年以降も分離課税の対象外で総合課税のままになる見込みです。

8.3 損失が出た場合、確定申告すれば翌年の税金が安くなりますか?

なりません。雑所得の損失は翌年に繰り越せないため、損失が出た年に確定申告をしても翌年の利益と相殺できません。同じ年の他の雑所得(副業収入など)との相殺のみ可能です。2028年からの分離課税では、国内取引所での特定暗号資産の損失に限り3年間の繰越しが認められる予定です。

8.4 確定申告をしなかったらどうなりますか?

無申告加算税(原則15〜30%)と延滞税が課され、悪質な場合は重加算税や刑事罰の対象になります。税務署は国内取引所の取引データを把握しているため、無申告は発覚する可能性が高いといえます。申告を忘れていた場合は、早めに期限後申告を行えば加算税が軽減されます。

8.5 取引履歴を紛失した場合はどうすればいいですか?

国内取引所であれば年間取引報告書の再交付を依頼できます。海外取引所や個人間取引の場合は、銀行口座の入出金記録や取引所の公表相場をもとに取得価額・売却価額を確認します。どうしても取得価額がわからない場合は、売却価額の5%を取得価額とする方法が認められています。

8.6 会社員ですが、仮想通貨の利益が会社に知られたくありません

確定申告書第二表の住民税に関する事項で「自分で納付」を選択すると、仮想通貨の利益にかかる住民税は給与天引きではなく納付書で自分で納めることになり、勤務先に通知される住民税額に上乗せされません。

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9. まとめ

この記事では、2026年時点の仮想通貨の税金について、基礎知識から確定申告の方法、令和8年度税制改正までを解説しました。仮想通貨の利益は現在は雑所得として総合課税され、税率は所得に応じて最高55%、損失の繰越しはできません。売却だけでなく、交換・商品購入・レンディングやステーキングの報酬受取時にも課税される点、給与所得者は20万円を超えると確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告が必要な点に注意しましょう。

2028年1月からは、国内取引所を通じた主要な暗号資産の売却益が申告分離課税20%・損失3年繰越しに変わる見込みです。それまでの2026年分・2027年分は現行ルールで申告する必要があり、年内の損益管理と取引記録の保存が引き続き重要です。仮想通貨の税金計算は取引の種類が多く複雑なため、利益が大きい場合や複数の取引所・DeFiを利用している場合は、税理士に相談することをおすすめします。

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