LivRoot税理士法人 > 税務・会計・財務の学習記事 > 個人事業主 > 株式会社と合同会社の違いを比較|設立費用・税金まとめ

株式会社と合同会社の違いを比較|設立費用・税金まとめ

更新日: 2026年9月11日 | カテゴリ: 個人事業主, 法人

「株式会社」と「合同会社」の違いをきちんと理解していますか?起業を検討する際、会社形態の選択は最初に直面する大きな決断です。この記事では、株式会社と合同会社の定義、メリット・デメリット、設立手続き、税金面などを徹底的に比較し、どちらがあなたの事業に最適かを解説します。

1. 会社形態の基本的な違い

項目株式会社合同会社
所有と経営分離(株主と経営者が分離)一体(出資者が経営に参加)
設立費用高い(定款認証が必要)低い(定款認証不要)
資金調達容易(株式発行等が可能)比較的困難(株式発行不可)
経営の自由度制約あり(機関設計が必要)高い(定款自治が広い)
社会的信用・認知度高いやや低い

2. 共通点と主な違い

2.1 共通点

  • 有限責任:どちらも出資者の責任は出資額まで
  • 法人格:どちらも法人として契約・資産保有が可能
  • 債権者保護制度あり:分配規制や異議手続き等の規定あり

2.2 相違点

項目株式会社合同会社
定款認証必要(公証役場)不要
決算公告義務ありなし
上場の可否可(将来的なIPOが可能)不可
ストックオプション基本的に不可

3. 各会社形態のメリット・デメリット

3.1 株式会社

メリット

  • 高い社会的信用、ブランド力
  • 株式による資金調達が可能
  • 上場や外部投資を見据えた経営ができる
  • ストックオプションで人材確保が可能

デメリット

  • 設立費用・ランニングコストが高い
  • 株主総会や取締役会などの手続きが煩雑
  • 経営の自由度が制限される

3.2 合同会社

メリット

  • 設立・運営コストが低い
  • 定款自治により経営の自由度が高い
  • 意思決定が迅速

デメリット

  • 認知度・信用力がやや低い
  • 株式による資金調達が不可
  • 上場不可

4. どんなケースで選ぶべき?

株式会社がおすすめのケース

  • VC・投資家からの出資を受けたい
  • 社会的信用を重視する業種
  • IPOを目指している
  • 従業員にストックオプションを付与したい
  • 事業承継を見据えている

合同会社がおすすめのケース

  • 少人数・単独で事業を行いたい
  • 起業初期でコストを抑えたい
  • 素早い意思決定を重視
  • 特定の専門家集団で共同事業を行う
  • 将来的に株式会社へ組織変更予定

5. 設立コストの比較(目安)

定款認証費用(株式会社のみ必要)

  • 資本金100万円未満:3万円
  • 資本金100万円以上300万円未満:4万円
  • 資本金300万円以上:5万円

※資本金が100万円未満であり、かつ次の3条件をすべて満たす場合は1.5万円に軽減されます(2024年12月改定)

  • 発起人全員が自然人かつ3人以下
  • 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある
  • 取締役会を置かない

登録免許税

  • 株式会社:資本金×0.7%(最低15万円)
  • 合同会社:資本金×0.7%(最低6万円)

※特定創業支援事業の証明書を取得すると半額(株式会社7.5万円/合同会社3万円)になる場合があります

定款に貼る印紙代

  • 紙の定款:4万円
  • 電子定款:0円
項目株式会社合同会社
定款認証費用3万円〜5万円(条件次第で1.5万円)なし
定款の印紙代4万円(電子定款は0円)4万円(電子定款は0円)
登録免許税最低15万円(条件次第で7.5万円)最低6万円(条件次第で3万円)
設立費用合計約18万円〜24万円約6万円〜10万円

6. 税務面の相違点は?

実は株式会社と合同会社の税務上の扱いは基本的に同じです。

  • 法人税、消費税、法人住民税、法人事業税が課される
  • 会計処理、納税義務に大きな違いなし
  • 法人住民税の均等割(最低年7万円程度)は、赤字の場合でもどちらの形態でも納付が必要
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)は、代表者1人だけの会社であっても株式会社・合同会社を問わず加入義務がある

※合同会社は決算公告義務がないため毎年の官報掲載費(約7.5万円)が不要であり、また役員の任期もないため定期的な重任登記費用(約1〜3万円)もかからないため、株式会社と比べてランニングコストを低く抑えられます

7. よくある質問

Q. 合同会社なら社会保険に入らなくていいですか?
A. いいえ。法人である以上、代表者1人の会社でも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は株式会社・合同会社共通の義務です。

Q. 赤字の年は法人住民税を払わなくていいですか?
A. 法人住民税のうち「均等割」部分は赤字でも納付が必要です(最低でも年7万円程度、自治体・資本金規模により異なります)。

8. まとめ

比較項目株式会社合同会社
社会的信用高いやや低い
資金調達容易困難
経営の自由度低い高い
設立コスト高い低い
上場可能性ありなし

あなたの起業目的や資金計画、組織体制に応じて最適な会社形態を選択しましょう。判断に迷う場合は、税理士や司法書士などの専門家に相談することで、より的確なアドバイスが得られます。


無料相談を申し込む30分・オンライン可・契約不要 1分診断