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所得税の確定申告は青色申告で!メリット・要件・手続きを税理士がわかりやすく解説【2026年版】

更新日: 2026年10月14日 | カテゴリ: 個人事業主
青色申告をはじめよう。記帳・申請・控除の基本

「青色申告って難しそう…」と感じていませんか?確かに、青色申告は帳簿付けなどの手間がかかる制度ですが、青色申告特別控除をはじめとする優遇措置があり、大きな節税効果が期待できます。しかも令和8年度税制改正により、令和9年分(2027年分)からは控除額が最大75万円に引き上げられる一方、紙で申告する人の控除は10万円に下がるなど、青色申告のルールが大きく変わります。本記事では、青色申告のメリットから要件、手続き方法、改正後の注意点まで、分かりやすく丁寧に解説します。青色申告で賢く節税し、手元に残るお金を増やしましょう。

この記事のポイントは次の3点です。

  • 青色申告の最大のメリットは青色申告特別控除。複式簿記で帳簿を付けてe-Taxで申告すれば65万円(令和9年分からは優良な電子帳簿で最大75万円)が所得から差し引かれる
  • 赤字の3年間繰越し、家族への給与の経費計上、30万円(令和8年4月以後は40万円)未満の備品の一括経費化など、白色申告にはない特典が多い
  • 青色申告をするには、その年の3月15日(新規開業なら開業から2か月以内)までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要がある

1. 青色申告とは?

青色申告とは、事業所得、不動産所得、山林所得がある人が、一定の要件を満たして確定申告を行う際に選択できる制度です。正確な帳簿書類に基づいて申告を行うことで、税制上の優遇措置を受けることができます。白色申告に比べて節税効果が高いことが大きな特徴です。

1.1 青色申告ができる人

青色申告の対象になるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある人です。個人事業主やフリーランスの本業の収入(事業所得)、アパート・駐車場などの賃貸収入(不動産所得)が代表例です。会社員の給与や年金、副業のうち雑所得に当たるものは対象になりません。副業でも、帳簿を付けて継続的に事業として行っていれば事業所得として青色申告を選べる場合があります。

1.2 青色申告と白色申告の違い

青色申告の承認を受けていない人の申告が白色申告です。白色申告でも2014年からすべての人に記帳・帳簿保存の義務があるため、「白色なら帳簿が不要」というわけではありません。手間の差が小さくなった一方で、受けられる特典には大きな差があります。

項目青色申告白色申告
事前の手続き青色申告承認申請書の提出が必要(3月15日または開業から2か月以内)不要
記帳方法複式簿記(簡易簿記でも可だが控除は10万円)簡易な方法による記帳(2014年から義務)
帳簿書類の保存帳簿・決算書類・現金預金取引の書類7年、その他の書類5年法定帳簿7年、その他の帳簿・書類5年
確定申告時の提出書類青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)収支内訳書
青色申告特別控除最大65万円(令和9年分から最大75万円)なし
赤字の繰越し翌年以後3年間の繰越し、前年への繰戻し還付原則不可(災害損失など一部を除く)
家族への給与届出した範囲で全額を経費に事業専従者控除(配偶者86万円・その他50万円が上限)
出典:国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」、No.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」

2. 青色申告のメリット

青色申告を選択することで、所得税の確定申告において様々な優遇措置を受けることができます。節税効果の高い控除や、事業の安定化につながる制度の利用など、事業主にとって大きなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。

2.1 青色申告特別控除(最大65万円)

青色申告者は、所得金額から一定額を差し引く「青色申告特別控除」を受けられます。控除額は帳簿の付け方と申告方法によって10万円・55万円・65万円の3段階に分かれます(令和8年分まで)。

控除額主な要件
65万円55万円の要件をすべて満たしたうえで、e-Taxで確定申告書・貸借対照表・損益計算書を期限内に送信する、または仕訳帳・総勘定元帳を「優良な電子帳簿」として保存し届出書を提出している
55万円事業所得または事業的規模の不動産所得がある/複式簿記で記帳(現金主義の特例を受けていない)/貸借対照表と損益計算書を添付し、翌年3月15日の期限内に申告
10万円上記に当てはまらない場合(簡易簿記による記帳、山林所得のみ、事業的規模でない不動産所得、期限後申告など)
控除は不動産所得→事業所得→山林所得の順に差し引き、所得金額が上限(控除で赤字にはできません)。出典:国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」
青色申告特別控除は、年分と申告方法で確認。2026年分と、2027年分以降を分けて準備

65万円の控除を受けるための要件を整理すると次のとおりです。

1. 事業所得、または事業的規模(おおむね貸家5棟・アパート10室以上)の不動産所得があること

2. 複式簿記で記帳していること(現金主義による所得計算の特例を受けていないこと)

3. 貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付し、申告期限(翌年3月15日)までに提出すること

4. e-Taxで確定申告書・貸借対照表・損益計算書を期限内に送信すること、または仕訳帳と総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件で保存し、確定申告期限までに届出書を提出していること

4の要件を満たさない場合は55万円、複式簿記でない場合(簡易簿記)や山林所得のみの場合は10万円の控除になります。控除は不動産所得、事業所得、山林所得の順に差し引き、所得の合計が控除額より少ないときはその所得の金額が上限です。控除によって赤字を作ることはできません。

たとえば所得税率20%・住民税率10%の人であれば、65万円の控除で所得税と住民税あわせて約20万円の節税になります。国民健康保険料も所得をもとに計算されるため、実際の負担軽減はさらに大きくなります。

2.2 令和9年分から最大75万円に(令和8年度税制改正)

令和8年度税制改正により、令和9年分(2027年1月〜12月分、2028年3月申告)以後の青色申告特別控除は次のように変わります。

帳簿と申告方法令和8年分まで令和9年分以後(2028年3月申告から)
複式簿記+e-Tax+優良な電子帳簿(仕訳帳・総勘定元帳)またはデジタルシームレス保存(届出書の提出が必要)65万円75万円
複式簿記+e-Tax65万円65万円
複式簿記+紙で提出55万円10万円
簡易簿記(前々年の事業所得・不動産所得の収入1,000万円以下)10万円10万円
簡易簿記(前々年の収入1,000万円超、不動産所得は事業的規模のみ)10万円0円(控除対象外)
令和8年度税制改正。出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁「令和9年分から青色申告特別控除はどう変わる?」(令和8年4月)

ポイントは3つです。1つ目は、複式簿記で記帳していても、紙で申告すると控除が10万円に下がることです(現在の55万円の区分がなくなり、e-Taxでの申告が65万円の要件になります)。2つ目は、e-Taxでの申告に加えて、①仕訳帳・総勘定元帳を年の初めから「優良な電子帳簿」として保存するか、②国税庁の基準に適合したシステムでデジタルインボイスや預貯金口座の決済データを一定の要件で保存する「デジタルシームレス保存」を行い、確定申告期限までに届出書を提出すれば、控除が75万円に上がることです。3つ目は、簡易簿記で10万円控除を受けている人のうち、前々年の事業所得または不動産所得の収入金額が1,000万円を超える人は、控除を受けられなくなることです(不動産所得は事業的規模の人のみ)。

令和9年分の申告は2028年3月ですが、判定は2027年1月からの帳簿で行われます。簡易簿記の人は2027年の年初から複式簿記に切り替え、会計ソフトとe-Taxの準備をしておくことが大切です。

2.3 純損失の繰越控除・繰戻し還付

青色申告者は、事業所得や不動産所得などで赤字(純損失)が発生した場合、その赤字を翌年以降3年間にわたり、各年の所得から差し引くことができます。翌年以降に黒字になった場合でも、繰り越した赤字と相殺できるため、税額を大幅に減らすことができます。特に事業開始初期など、赤字になりやすい時期に大きなメリットとなります。

また、前年も青色申告をしていれば、赤字を前年の所得と相殺して、前年に納めた所得税の還付を受ける「純損失の繰戻し還付」も選べます。繰越しと繰戻しは、赤字の年に確定申告(損失申告)をすることが条件です。白色申告では、事業用資産の災害損失など一部を除き、赤字の繰越しはできません。

2.4 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)

青色申告者の家族が事業を手伝っている場合、その家族に支払う給与(青色事業専従者給与)を必要経費として全額計上できます。白色申告では「事業専従者控除」として配偶者86万円・その他の親族50万円(または事業所得を専従者数+1で割った金額のいずれか低い方)までしか差し引けないため、家族が本格的に事業に関わっている場合は青色申告の方が有利です。

ただし、青色事業専従者給与として認められるためには、以下の要件を満たしたうえで、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

1. 青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の12月31日時点で15歳以上であること

2. その年を通じて6か月を超える期間、その事業に専ら従事していること(年の途中で開業した場合などは、従事できる期間の2分の1を超える期間)。他に仕事を持っている場合や学生の場合は、原則として認められません

3. 届出書に記載した金額の範囲内で、労務の対価として相当と認められる金額を支払っていること(節税のために不当に高い金額を支給することは認められません)

届出書の提出期限は、給与を経費にしようとする年の3月15日(その年の1月16日以後に開業した場合や新たに専従者ができた場合は、その日から2か月以内)です。なお、専従者として給与を受け取った家族は、配偶者控除や扶養控除の対象にはなれない点に注意が必要です。

2.5 その他のメリット(貸倒引当金・少額減価償却資産の特例)

青色申告者は、売掛金や貸付金などの帳簿価額の合計額の5.5%(金融業は3.3%)以下の金額を貸倒引当金として必要経費にできます。

また、10万円以上30万円未満のパソコンや備品などを購入した場合、通常の減価償却をせずに購入した年に全額を経費にできる「少額減価償却資産の特例」も青色申告者だけの制度です。令和8年度税制改正でこの特例は令和11年3月31日まで延長され、令和8年4月1日以後に取得したものは対象が40万円未満に拡大されました(年間の合計額300万円が上限)。

メリット内容白色申告の場合
青色申告特別控除所得から最大65万円(令和9年分から最大75万円)を控除控除なし
純損失の繰越控除赤字を翌年以後3年間の所得から控除原則不可
純損失の繰戻し還付赤字を前年の所得と相殺して前年分の所得税の還付を受ける(前年も青色申告の場合)不可
青色事業専従者給与家族への給与を届出した範囲内で全額経費に事業専従者控除(配偶者86万円・その他50万円が上限)
貸倒引当金売掛金・貸付金などの帳簿価額の5.5%(金融業3.3%)以下を経費に個別に回収不能が見込まれる債権のみ
少額減価償却資産の特例10万円以上30万円未満(令和8年4月1日以後の取得は40万円未満)の資産を購入した年に全額経費に(年300万円まで、令和11年3月31日まで)10万円以上は減価償却(20万円未満は3年で均等償却可)
出典:国税庁タックスアンサーNo.2070、No.2075、No.2100

3. 青色申告者の義務

3.1 青色申告承認申請書の提出

青色申告を行うには、事前に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出して承認を受ける必要があります。

状況提出期限青色申告になる年分
前年以前から事業をしている(白色から切り替え)青色申告をしようとする年の3月15日その年分から
その年の1月1日〜1月15日に開業その年の3月15日その年分から
その年の1月16日以後に開業開業日から2か月以内その年分から
青色申告をしていた親などの事業を相続した死亡日が1月1日〜8月31日:死亡日から4か月以内/9月1日〜10月31日:その年の12月31日/11月1日〜12月31日:翌年2月15日相続した年分から
期限が土日祝日に当たる場合は翌日。提出先は納税地の所轄税務署。e-Taxソフト(WEB版)のマイページからスマートフォン・パソコンで提出できます。出典:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」
青色申告の申請期限を先に確認。開業届と青色申告承認申請書は、別の手続です

提出期限は、青色申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新たに事業を始めたり不動産の貸付けを始めたりした場合は、開業日から2か月以内に提出します。たとえば2026年に開業して2026年分から青色申告をしたい場合は、開業日から2か月以内、2027年分から青色申告にしたい場合は2027年3月15日までが期限です。期限を過ぎると、その年分は白色申告になります。提出先は、納税地(通常は住所地)を管轄する税務署です。

申請書は、e-Taxソフト(WEB版)の「マイページ」からスマートフォンやパソコンで提出できます。書面で作成して税務署に持参または郵送することも可能です。開業届と一緒に提出するのが一般的です。申請後、その年の12月31日(その年の11月1日以後の開業なら翌年2月15日)までに税務署から処分の通知がなければ、承認されたものとみなされます。

3.2 正確な帳簿の作成

青色申告者には、正確な帳簿を作成する義務があります。65万円(令和9年分からは65万円・75万円)の控除を受けるには複式簿記による記帳が必要ですが、簡易簿記(現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳など)による記帳でも青色申告自体は可能で、その場合の控除額は10万円になります。

複式簿記とは、すべての取引を借方と貸方に分けて記録する記帳方法です。正確な記帳を行うことで事業の収支や財産の状況を明確に把握できますが、簿記の知識が必要で、手作業では手間がかかります。そこで、会計ソフトの活用がおすすめです。銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込み、仕訳を入力すれば他の帳簿への転記や集計、損益計算書・貸借対照表の作成まで自動で行えるため、簿記に不慣れな方でも複式簿記による記帳ができます。会計ソフトの導入には、小規模事業者向けの補助金(デジタル化・AI導入補助金)が使える場合もあります。

3.3 帳簿書類の保存義務

青色申告者は、帳簿と書類を一定期間保存する義務があります。仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿と、損益計算書・貸借対照表などの決算関係書類、領収書・預金通帳などの現金預金取引に関する書類は7年間、請求書・見積書・納品書などその他の書類は5年間の保存が必要です。白色申告でも、収入・経費を記載した法定帳簿は7年間の保存が必要です。

区分具体例青色申告白色申告
帳簿仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など7年法定帳簿(収入・経費を記載したもの)7年、その他の帳簿5年
決算関係書類損益計算書、貸借対照表、棚卸表など7年5年
現金預金取引等関係書類領収証、小切手控、預金通帳、借用証など7年(前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の人は5年)5年
その他の書類請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など5年5年
保存期間は確定申告期限の翌日から数えます。電子取引(メール・ウェブで受け取った請求書など)のデータは2024年1月から青色・白色を問わずデータのまま保存が必要です。出典:国税庁タックスアンサーNo.2070、No.2080

帳簿書類は税務調査の際に提示を求められるため、整理して保管しておく必要があります。なお、電子帳簿保存法により、2024年1月からはメールやウェブで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、青色・白色を問わずデータのまま保存することが義務付けられています。会計ソフトで作成した帳簿を電子データのまま保存することも認められており、一定の要件(訂正・削除の履歴が残る、検索できるなど)を満たす「優良な電子帳簿」として保存すれば、65万円控除(令和9年分からはe-Taxでの申告とあわせて75万円控除)の要件にもなります。

3.4 期限内の申告とe-Taxの利用

青色申告特別控除の55万円・65万円は、翌年3月15日の申告期限内に申告することが条件です。期限後申告になると、その年は10万円の控除しか受けられません。

e-Taxを利用すれば、確定申告書・青色申告決算書を自宅から送信でき、65万円控除の要件も満たせます。マイナンバーカードとスマートフォンがあればICカードリーダーは不要です。税務署で本人確認を受けて発行される「ID・パスワード方式」は2025年10月1日に新規発行が停止され、すでに届出をしている方だけが引き続き利用できます。なお、ID・パスワード方式は令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定です。令和9年分から65万円・75万円の控除を受けるにはe-Taxでの送信が必須になるため、早めにマイナンバーカード方式に切り替えておきましょう。e-Taxで申告すると還付金の受け取りが早く、添付書類の一部を省略できるメリットもあります。なお、令和7年1月からは書面で提出した申告書の控えに税務署の収受日付印が押されなくなったため、提出の記録が残るe-Taxの利用をおすすめします。

4. 青色申告を始めるまでの流れ

青色申告を始めるには、次の順序で準備を進めます。

1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と青色申告承認申請書を税務署に提出する(青色申告承認申請書は開業日から2か月以内または3月15日まで。開業届は同時に出すのが一般的)

2. 会計ソフトを導入し、事業用の銀行口座・クレジットカードを分けて、複式簿記で日々の取引を記帳する

3. 家族に給与を支払う場合は、青色事業専従者給与に関する届出書を提出する

4. 年末に決算を行い、損益計算書・貸借対照表(青色申告決算書)を作成する

5. 翌年2月16日から3月15日までに、e-Taxで確定申告書と青色申告決算書を送信する

6. 帳簿と書類を7年間(一部5年間)保存する

日々の記録から、申告・保存まで。会計ソフトを使う場合も、内容の確認が大切

5. よくある質問

青色申告に関するよくある質問をまとめました。

5.1 青色申告をやめることはできますか?

はい、可能です。青色申告をやめる場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を、やめようとする年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに所轄の税務署に提出します。ただし、取りやめ届出書を提出した日から1年以内は、再び青色申告の承認申請をしても却下されることがあります。また、青色申告をやめると青色申告特別控除などの特典を受けられなくなるため、帳簿の手間だけを理由にやめるのはおすすめしません。事業を廃止する場合は、開業・廃業等届出書もあわせて提出します。

5.2 白色申告から青色申告に変更することはできますか?

はい、可能です。変更するには、青色申告にしたい年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。たとえば2027年分から青色申告にしたい場合は、2027年3月15日が期限です。個人の所得税は1月1日から12月31日を1年として計算するため、年の途中から青色申告に切り替えることはできません。期限に間に合わなかった場合は、翌年分からの適用になります。

5.3 e-Taxを利用するにはどうすればいいですか?

e-Taxを利用する方法は主に2つあります。1つはマイナンバーカード方式で、マイナンバーカードとスマートフォン(またはICカードリーダー)を使ってログインします。もう1つはID・パスワード方式で、税務署で本人確認を受けて発行された利用者識別番号とパスワードでログインします(2025年10月1日に新規発行が停止されたため、すでに届出をしている方のみ)。ID・パスワード方式は令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定のため、早めにマイナンバーカード方式に切り替えておきましょう。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って入力するだけで青色申告決算書と確定申告書を作成し、そのまま送信できます。会計ソフトからe-Taxに直接送信できるものもあります。

5.4 複式簿記が難しい場合はどうすればいいですか?

会計ソフトを利用すれば、簿記の知識がなくても複式簿記による帳簿を作成できます。銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込み、スマートフォンのアプリでレシートを撮影して経費を登録できるものもあります。自分で記帳するのが難しい場合は、記帳代行を含めて税理士に依頼する方法もあります。また、税務署や青色申告会、商工会・商工会議所では記帳指導や説明会を行っているので、活用するのもよいでしょう。

5.5 青色申告と白色申告、どちらを選択すべきですか?

事業所得や不動産所得がある方は、基本的に青色申告を選ぶことをおすすめします。白色申告でも記帳と帳簿保存の義務があるため手間の差は小さく、会計ソフトを使えば複式簿記の負担も大きくありません。一方で、青色申告なら最大65万円(令和9年分からは75万円)の控除、赤字の繰越し、家族への給与の経費計上など、節税効果の差は年間数十万円になることもあります。

青色申告白色申告
向いている人事業所得・不動産所得(事業的規模)がある人全般。節税を重視する人、赤字が出る可能性のある人、家族が事業を手伝っている人事業を始めたばかりで青色申告承認申請書の提出期限を過ぎてしまった人、事業的規模でない小規模な不動産所得だけの人
メリット最大65万円(令和9年分から75万円)の控除、赤字の3年繰越し、家族への給与の経費計上、少額減価償却資産の特例事前の申請が不要、収支内訳書で申告できる
デメリット事前の申請、複式簿記での記帳、貸借対照表の作成が必要控除や赤字の繰越しがなく税負担が重い、記帳・保存の義務は青色と大差ない
ひとこと会計ソフトを使えば手間の差は小さいため、基本的に青色申告がおすすめ翌年から青色申告に切り替えるなら、3月15日までに承認申請書を提出

5.6 副業でも青色申告はできますか?

副業の収入が事業所得に当たる場合は、青色申告承認申請書を提出すれば青色申告ができます。事業所得か雑所得かは、帳簿書類を作成・保存しているかどうかや、収入の規模・継続性で判断され、帳簿を付けていない場合は原則として雑所得になります。雑所得は青色申告の対象外です。副業の場合、給与と合わせて確定申告が必要になる点にもご注意ください。

日々の記帳を、事業の力に。青色申告の準備を一緒に

6. まとめ

この記事では、青色申告で所得税の確定申告を行うメリットや青色申告者の義務、必要な手続きについて解説しました。青色申告は、最大65万円(令和9年分からは最大75万円)の控除を受けられる、赤字を3年間繰り越せる、家族への給与を経費に計上できる、30万円(令和8年4月以後は40万円)未満の備品を一括で経費にできるなど、多くのメリットがあります。一方で、複式簿記での記帳や帳簿の保存が必要になりますが、会計ソフトを使えば負担は大きくありません。

手続きとしては、青色申告承認申請書の提出(3月15日または開業から2か月以内)、複式簿記による記帳、期限内のe-Taxによる確定申告が必要です。令和9年分からは、紙で申告すると控除が10万円に下がり、収入1,000万円超の簡易簿記の方は控除を受けられなくなるため、早めに複式簿記とe-Taxの準備をしておきましょう。青色申告は、節税効果を高め、事業の健全な発展につながる有効な制度です。この記事を参考に、青色申告に挑戦してみてはいかがでしょうか。なお、課税売上高が1,000万円を超えた場合やインボイス登録をした場合は消費税の申告も必要になります。法定業種であれば個人事業税もかかります。

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